top of page

 

 通夜式について①

 一日はいつ始まるのでしょうか?

 今日の我々の感覚としては、太陽が昇ってから、つまりそれは朝であるかに思います。しかしながら、かつては一日の始まりを、太陽が沈んだ頃合いからとしておりました。夜を初夜、中夜、後夜の三区分に分けて、初夜(18時から21時頃まで)から一日が始まり。結婚初夜と申しますが、これから永きに渉って過ごすであろう二人の半生の始まりという意味でもあります。

通夜式とは、この三区分の「夜を通して行う式」ということになるわけです。準備を含めて、日没、つまり黄昏の時間帯から始まります。黄昏とは、

「たそがれ」→「たそかれ」→「誰そ彼」という語源であり、

日がすっかり西山に傾いて、屋内で身内の顔でさえ判別がつかなくなる頃、通夜式は始まります。

つまり故人のご生涯の最後の日が告別の日となって、いよいよこれから始まるのだという心組みで、喪主や遺族の方々が改めて居ずまいを正して、ご霊棺の周りに集まるのです。

以前は、近親の方々が夜を徹してお線香を立て、ロウソクの火を絶やさない様に努め、故人の遺徳を偲んだとのことですが、現在では、徹夜はせずに、近親者もしっかりと休息をとる、半通夜という形が一般的である様です。

DSC04172_edited.jpg

黄昏時の境内

bottom of page