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月指す指

  • 執筆者の写真: 住職
    住職
  • 2024年6月1日
  • 読了時間: 2分


住職の雄道です、こんにちは。


「偶像崇拝 (ぐうぞうすうはい )」という言葉があります。


眼に見えない存在である、神様、仏様をイメージして、

石や木材や金属に刻んだり、絵に描いて、

それを崇拝してはダメですよ!という事。


ユダヤ教、キリスト教、イスラム教等で、

偶像崇拝の禁止は顕著で、

殊にイスラム教では徹底して守られ、

反する行為は一切許されません。


ところで仏教では、お釈迦様ご自身

偶像崇拝を禁止しておられました。


人間の心は眼に見える「モノ」にどうしても執着してしまう。

教えの本質は、仏像や仏画の中にあるのではなく、

その身体で、人生を通して実践していくものだ、

という事なのかと受け取っております。


しかし、世界中に建てられた多くの仏像が物語る様に、

現在偶像崇拝は禁止されてはおりません。


奈良や鎌倉の大仏など、

眼に見える存在として形になると、

執着が生まれるのでしょうが、

その一方で、愛着や親しみも生まれるわけです。


そこから、各時代の人々の心を満たすべく、

仏像や仏画が作られてきました。



仏教では、夜空に浮かぶ「月」を「仏の教えの本質」に例え、

仏像、仏画やお経などは、その「月」を指す「指」と見なされております。




仙厓義梵という江戸時代の禅僧が描いた、

「指月布袋画讃」という絵です。


「を月様幾ツ、十三、七ツ」と布袋さんが月を指さしています。

※「を月様幾ツ、十三、七ツ」=「お月様は十三夜の七つ時(四時)の月でまだ若い」=「もう月が出ているよ」


でも、その横にいる子共は、お月様を見るのではなく、

布袋さんの指している指にばかり目をやり、手を伸ばしております。


見当違いのものばかり求めて、本質に目もくれない。


仏像や仏画を拝み、

お経を覚えて、唱えて得意顔。


我が身を振り返ると、仙厓和尚のため息が聞こえてくるようです。



 
 
 

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