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夏の臭い

更新日:2023年7月14日




和尚の雄道です、こんにちは。


私は普段泉龍寺におります時、

洋服を着たり、作務衣という服を着たりしております。


暑ければ半袖をきたり、

寒ければ上着を羽織ったりという様に、気ままなものです。


しかし修行中、道場にいる時は、自身の自由な格好をすることは許されておりません。


基本的に一年を、下着、襦袢(ジュバン)、着物、衣の四枚を着てすごしております。


下着、襦袢はともかくとして、着物と衣は、現代では高価なものですから、

何着も持っている物ではありません。

特に衣は、それぞれ夏冬の物を一着ずつ持っているだけです。


大事な一張羅なわけですから、衣はその分頑丈に作られております。


しかし同時に、一度洗濯すると中々乾きません。


ですから、衣はあまり洗濯する機会が無い。


その弊害は、真夏の暑い時期になると発生します。


臭いんですよ。

夏の修行僧は臭い、ホントに臭い。


汗をビッショリかいても洗濯をできない衣、

それを毎日毎日着る。


他に選択肢は無いわけですから、

真夏日が三日も続けば、

タンパク質が発酵した、ツーンという刺激臭を周囲にまき散らします。



鎌倉のお寺にいた時、江ノ電に乗って托鉢に行ったり、

檀信徒のお宅にお邪魔したりすることがありました。


電車は密室。


そのため、乗り合わせた小さい子どもさんによく泣かれます。


片手で鼻と口を押え、片手でこちらを指差し、

抑えた手のひらからこぼれる落ちる「あの人、、、臭い。」の一言。


もぅ、心に刺さる刺さる。。。


膝に乗った子をたしなめるお母さんが、何とも申し訳なさそうにこちらへ軽く会釈する姿。


お母さんの良い人柄が滲み出ている表情がより一層、私をいたたまれなくさせます。


もちろん悪いのはこちら。


大変ご迷惑をまわりにかけながら、鍛錬させて頂いたものです。


梅雨明け前、不安定な気候ですが、

お互い体にお気を付けましょう。





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