和尚の雄道です、こんにちは。
私は普段泉龍寺におります時、
洋服を着たり、作務衣という服を着たりしております。
暑ければ半袖をきたり、
寒ければ上着を羽織ったりという様に、気ままなものです。
しかし修行中、道場にいる時は、自身の自由な格好をすることは許されておりません。
基本的に一年を、下着、襦袢(ジュバン)、着物、衣の四枚を着てすごしております。
下着、襦袢はともかくとして、着物と衣は、現代では高価なものですから、
何着も持っている物ではありません。
特に衣は、それぞれ夏冬の物を一着ずつ持っているだけです。
大事な一張羅なわけですから、衣はその分頑丈に作られております。
しかし同時に、一度洗濯すると中々乾きません。
ですから、衣はあまり洗濯する機会が無い。
その弊害は、真夏の暑い時期になると発生します。
臭いんですよ。
夏の修行僧は臭い、ホントに臭い。
汗をビッショリかいても洗濯をできない衣、
それを毎日毎日着る。
他に選択肢は無いわけですから、
真夏日が三日も続けば、
タンパク質が発酵した、ツーンという刺激臭を周囲にまき散らします。
鎌倉のお寺にいた時、江ノ電に乗って托鉢に行ったり、
檀信徒のお宅にお邪魔したりすることがありました。
電車は密室。
そのため、乗り合わせた小さい子どもさんによく泣かれます。
片手で鼻と口を押え、片手でこちらを指差し、
抑えた手のひらからこぼれる落ちる「あの人、、、臭い。」の一言。
もぅ、心に刺さる刺さる。。。
膝に乗った子をたしなめるお母さんが、何とも申し訳なさそうにこちらへ軽く会釈する姿。
お母さんの良い人柄が滲み出ている表情がより一層、私をいたたまれなくさせます。
もちろん悪いのはこちら。
大変ご迷惑をまわりにかけながら、鍛錬させて頂いたものです。
梅雨明け前、不安定な気候ですが、
お互い体にお気を付けましょう。
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