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苦く、臭い思い出




和尚の雄道です、こんにちは。


先日、修行先での先輩に久しぶりにお会いする機会があり、

色々と懐かしい思い出話に花が咲きました。


その中で、

「お前一年目の時、よく隠れてタバコ吸ってたよな?

俺はお前を指導する立場だったし、お前が吸ってるの知ってたけど、

しょうがねぇなぁ~って、目を瞑ってたんだぞ。」


と17年前の恥ずかしい思い出を、今更ながら暴露され、大変恐縮いたしました。


「へぇ~。」という顔をされるのですが、私は以前喫煙者でした。


一丁前に、学生時分から習慣化し、親のお金でタバコを購入するわけですから、

改めて考えてみても、ロクなもんじゃねぇですね。


そんな私でも、修行前には、

「これからは当然タバコは吸えないだろうから、もう止めよう。」

と決意し、修行に向かったのです。


しかし、行ってみて驚いたのは、修行先での喫煙が許されていたということでした。


「ええ!タバコ吸えるんだ!」

と驚きながらも、先輩からは、

「修行一年目の者は、吸ってはダメだ!」

という言葉。


私は唖然としました。


「一年経とうと、吸ってダメなのなら吸うべきではないし、

吸って良いのなら、一年目でも吸って良いはずだ!」

正直腹がたちました。


そんな思考に囚われ、私は隠れてコソコソとタバコを吸っておりました。


改めて当時、人の目を盗んでタバコを吸う自分を想像すると、

何とも言えぬさもしい気持ちになります。


自身の屁理屈に固執し、

ニコチン中毒でタバコが吸いたい自分を正当化していたのでしょう。


自らタバコを止めると決めたのなら、その場所に関わらず吸わねばよい。


結局は数年後、修行中にタバコは止めました。


改めて思い返すと、

ニコチン中毒であった事以外、

タバコに特別な思い入れはなかったのでしょう。


今では、喫煙者であった事を忘れる程、タバコに興味がありません。


しっかりとした自分があれば、迷わなかったはずですが、

当時の私は、足取りがブレブレで、それなのに頑なでした。


先輩が私の喫煙に目を瞑っていたのは、

当時言っても、どうせ先輩の言うことが私には届かず、

無駄であることに気づいていたのかもしれません。


改めて当時の自分を思い出すと、恥ずかしい気持ちになります。


さて、今の自分を十年後、二十年後の自分が見たらどう思うのでしょうか?


願わくは、あまり羞恥心を刺激しない様な日々を送りたいものです。

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