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続 キツツキの縁




住職の雄道です、こんにちは。


前回、キツツキに対する当寺院の対応をお案内いたしました。


写真にも記載した通り、屋根の破風の部分に穴が開けられてしまったわけです。


「破風」というのは、雨風が屋根に侵入するのを防ぐ為にあり、

破損していると、屋根裏に雨が入り、建物にダメージを与えてしまいます。


早速屋根屋さんをお願いいし、必要な養生を施し、

まぁ、一段落というところに収まりました。


支払を終えて、

「そういえば保険どうなってるのかな?」

という疑問がふと湧き、総代会執行部に確認してみましたところ、

問い合わせの結果、本堂や離れは入っているものの、庫裡(くり)という今回の建物には、

一切の保険がかかっていない事が発覚したのです。


この庫裡という建物は、明治期に同じ高根町の長沢の地、輿水家という名家の母屋建て直しの際に譲り受け、移築されました。


移築されてから150年近く経ちますので、新築からの年数で考えますと、かなり年代物となるわけです。


それが意外にも保険に一切入っていない。

私も含め、執行部一同、驚きにお互いの顔を見合わせるばかりです。


早速保険屋さんをお呼びして、見積もりを立て、総代会の総会に諮り、あまり負担が掛からない程度に、現状に合った形で保険契約を結び直すことが出来ました。


近年ご存じの通り、予想できない災害が増えております。


泉龍寺で結んでいた保険契約も、三十年以上前に結んだもので、

現状に合致しない様な内容と、時の流れと共になっておりました。


その見直しが出来たのは、まさに宿敵キツツキのおかげです。


間違ってもパチンコ玉を当てることが無くて良かった。


禍福はあざなえる縄のごとし


「幸せや不幸は、より合わせた縄の様に交互に来るよ。」

という意味だそうです。


でもそれ以前に、良い事と悪い事を判断するのが難しすぎる。


何が良い事で、

何が悪い事なのか、

幸か?不幸か?

状況次第で捉え方が大きく変わります。


同じキツツキでも、

以前は、屋根を傷つける迷惑な害獣。

今は、保険体制の穴を気づかせてくれた幸運の鳥。


結局、目の前の出来事に、人間が手前勝手な都合を物差しにして、

判断しているだけなのでしょう。


それが悪いのではなくて、結局そういう風にしかできない我々がいるという事なのでしょう。


季節は、春から夏へ。


また屋根を

「コツコツコツ。。。」とつつき出したら、

「どうぞご自由に。」というわけにもいきません。


やはりパチンコ片手に、立ち向かう必要があるでしょう。


また、あつい季節がやってきます。





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