若住職の雄道です、こんにちは。
お釈迦様の弟子に、チューダパンタカというお方がおられます。
物覚えが悪く、お釈迦様の教えどころか、自身の名前すら覚えられず、名を札に書き、常に首から下げていましたが、それさえも忘れてしまう。
チューダパンタカには聡明な兄がおり、その勧めもあって、お釈迦様の側を離れ、修行を諦めようとしましたが、そこに手を差し伸べるのがお釈迦様。
お釈迦様「お前は何が得意なのだ?」
チューダパンタカ「掃除です。」
直ちに、一本のホウキが渡される。
『チューダパンタカよ、これからずっと、「塵を払わん、垢を除かん」と唱えながら、掃除を続けなさい。』
言われるままに、毎日毎日掃除を続けます。
何年も何十年も、掃除を繰り返していく中で、ある日、チューダパンタカは掃除によって、自分自身の心を清め、自身の塵を払い、内面の垢を除いていたということに気づきました。
その様な姿を見ていた周りの弟子たちも、やがてチューダパンタカを尊敬し軽んじなくなりました。
そして今では、釈尊のお弟子さんの中でも重要視される、十六羅漢さまの中のお一人に数えられる偉大な人物として、後の世に伝えられることとなりました。
このチューダパンタカがモデルとである、有名な人物がいます。
アニメ『天才バカボン』作中に登場する、「レレレのおじさん」その人。
アニメの中で毎日毎日、「レレレのおじさん」は、掃き掃除をしながら、行きかう人に、
「お出かけですかぁ~レレレのレ~」と声掛け運動をしておりますね。
町で生活する人々の生活環境を清潔に保ち、自身と、町の住人の心を清め日々を過ごす「レレレのおじさん」の生活は、シンプルながらも、誰にでも簡単に出来ることではない。
因みに、うどんなどの薬味に使う、「茗荷(みょうが)」は、
「名を荷う(名前を書いた札をいつもかけていた)」チューダパンタカのお墓に、たくさん生えたため、食べると、物忘れが増えると言われているとのことです。
さて、すっかり温かくなり、泉龍寺の庭にもたくさんの草たちが、部屋には埃が、、、、
チューダパンタカ尊者にあやかって、掃除掃除。
「塵を払わん、垢を除かん」
Comments