
住職の雄道です、こんにちは。
寒空の下、坊主頭というのは、吹きすさぶ風を前にしてノーガードです。
ボクシングの試合で言えば、相手はこちらをボコボコと殴り放題。
柔道で言えば、ご自由にどうぞと投げられ、受け身も取らない。
竹槍すら持たずに、戦場に棒立ちしているようなものでしょう。
無謀です。
そんな我々の偉大なる味方。
ヒトの発明した叡智の結晶。
もうお分かりですね?
それは「帽子」。
初めて帽子をつくった方。日本に帽子を広めた方々。
そのご家族関係者各位にこの場をお借りし、全坊主頭を代表し、深く御礼を申し上げます。
しかし、いざ和尚として外に出て行う法務。
葬儀の出棺や、お墓参りをする際、当然帽子はかぶれません。
無帽です。
さて、
この時期、早朝の出棺。
風はビュービューと絶え間なく吹き抜け、気温は氷点下。
頭丸出し、首丸出しの私。
見かねた方に、聞かれます。
「寒くないんですか?」
「寒いですよ!」即答です。
しかし、不思議と「寒さ」が気にはなりません。
悲しむ遺族親族、悼む友人、見守るご近所さん。
その場にいると「寒さ」に気持ちが向かわなくなります。
目には見えないものですが、その場におられる皆さんの思いが、
その場に一種独特な雰囲気を醸し出すのではないかと思います。
逝く者を前に、遺された者たち同士の一体感が立ちのぼり、その場全体の意識が
「お見送りをしよう」という方向に引っ張られていくのではないでしょうか?
。。。話が逸れました。
私の悪い癖です。
坊主頭について熱く語ろうとしていたのに。
文章が長いと読んでもらえないらしいです、そろそろ切り上げねば。
というわけで、結論です。
法務以外では、私は帽子をかぶります。首巻もします。
なぜなら寒いからです。
「12月、1月、2月は全国的に死亡者が多い」という統計が出ております。
寒いとは、そういうことなのです。
皆さん暖かくして下さい、ご自愛下さい。

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