若和尚の雄道です。
ここ数日で、お檀家さんから、たくさんのマスクや除菌シートなど、対コロナの品物がお寺に届きました。
感染者数は、日に日に減少傾向を示しているようです。
しかし、まだまだ不自由な (ご職業によっては大変厳しい) 生活をされておられるのはご案内のとおりです。
その様な中で、お寺の事を思い出して頂けただけでなく、手を差し伸べて頂きました、
一同心から感謝いたしております。
頂いた品物を前にして、どうすればより効果的に品物を活かすことが出来るものかと、住職と共に頭をひねっております。
さて、コロナが蔓延し、私たちを取り巻く社会の在り方には、様々な変化が起きております。
その一つに、他者の身体管理が、自らの身体管理に大きく関わってくる、ということが挙げられるでしょう。
つまり、感染は必ず他者からします。その結果、自分の安全や安心が、他者の安全や安心に大きく依存する環境になったということです。
それは一方で、感染者を非難したり、差別したりする行動につながります。
同時にまた、他者の事を思いやり、労わる行動にもつながります。
後者の、他者を思いやる行いを、仏教では「利他行(りたぎょう)」というようです。
口に出して言いづらいことではありますが、自分の大事なものをランキングしていきますと、恥ずかしながら、一位は「自分」であろうと思います。
しかし、これは多くの方にとって事実ではないでしょうか。
そして、利他行とは、一位の「自分」と同率一位に「他者」を置くことです。
つまり、相手を自分と同じようにかけがえのないものとして扱うということになります。
自分と相手を同じく扱うということは、突き詰めていくと、相手と自分を隔てる境目が無くなることでしょう。
境目が無くなり、他者が無くなれば、非難したり、差別したりする相手がいなくなってしまうことになるはずなのです。
ですが、言うのはたやすくも、行うことは。。。
私たちの社会全体がこの「情けは人の為ならず」の道を歩んでいければと願うばかりです。
またその兆しが、お檀家さんから届きましたことは、当山としましては、とても誇らしいことに感じております。
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