こんにちは、若和尚の雄道です。
地域によりご存じない方もいらっしゃるかと思いますが、
「おててのしわとしわをあわせて しあわせ な~む~」
という某仏具屋さんのコマーシャルがあります。
さて、今回は「合掌」について少しお話をしましょう。
インドでは、合掌をしながら、「ナマステ」といって「おはよう」とか「ありがとう」といいった意味の挨拶を表しますね。
これは「ナマス =敬意」、「テ =あなた」となり「あなたに敬意を示す」ということでですが、この「ナマス」。
中国に伝わって「ナマス =南無(ナム)」となります。
仏教徒の間で、「敬意」という意味がもっと強くなって「あなたを拠り所とする。」などといった意味あいになりました。
それが、日本にそのまま伝わったわけなんですね。
次に、合掌の形。
インドには、右を清らかなもの、左を清らかでないものという右上位の伝統的考え方があります。
食事は必ず右手で食べる、お手洗いの始末は左手で行う、というマナーは今でもインドに残っておりますね。
右手を「仏様」、左手を「私」とみなして、自らの目の前で、ぴったりと合わせるのが「合掌」。
これは、先ほど説明した、「南無」=「あなたを拠り所にする。」を実際に身体で示してみた形でしょう。
古歌にもあります。
右ほとけ 左我ぞと 合わす手の 中にゆかしき 南無の一声
日本で生活していると、「合掌」をする機会は多いですよね。
お寺にお参りして、仏像を前にして、お葬儀に参列して、食事を前にして。
その様な時には、是非「合掌」の意味合いも思い出して頂ければ幸いです。
「おててのしわとしわをあわせて しあわせ な~む~」
実はその後に、
「おててのふし(こぶし)とふし(こぶし)をあわせて ふしあわせ な~む~」
と続くそうで。
確かに、他者と拳を合わせるのではなく、
向き合って合掌し、お互いに敬いあう世界にしていきたいものです。
それでは失礼します。
な~む~
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