若方丈の雄道です、こんにちは。
私が以前お世話になった、修行道場のお手洗いは、汲み取り式でした。
現代日本では、目に掛かることはまずありませんね。
自分たちの手で、排泄物を大きなヒシャクですくい取り、バケツに入れて二人一組で担ぎながら、チャプチャプ言わせながら、お寺から少し離れた畑に運び、葉っぱと混ぜて堆肥を作って作物を育てていました。
慣れないうちは、その独特の強い臭いや、モゾモゾ蠢きながら漂うウジ虫の姿に気分が悪くなる者もおります。
それでも、何度もすくって、運んでを繰り返す内に、その全てに慣れてきます。
一日仕事の肥え担ぎが終わると、クタクタになって、夕飯にはお腹がペコペコになっています。
しかしなぜか、というか確信犯なのでしょうが、その夜は、カレーが出てきます。
カレーライスと言えば、修行場ではめったに出てこないご馳走。
そのとっておきをこの日に当ててきます。
昼間にバケツで運んだもの実によく似ている。。
しかし、その時には、気にならなくなっています。
不潔であるとか、臭いとか、気持ち悪いという感覚は消え失せ、
カレーは美味しいなぁという喜びしかありません。
食物を収穫し、収穫物を食べ、排せつする、それでまた食物を育てる。
その一連の人間の営みに、きれいも汚いも無いという事が、体験を通してわかってくるのかもしれませんね。
近年トイレがきれいになりました。
きれいなのは使っていて気持ちが良い反面、
「臭いものにフタ」をしてしまっている様にも感じます。
という様なわけでございまして、
梅雨明け間近、暑くなります。
皆さんご自愛くださいませ。
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