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お焚き上げの品々

  • 執筆者の写真: 住職
    住職
  • 6月1日
  • 読了時間: 3分


住職の雄道です、こんにちは。


お寺では、お檀家さんから届く古くなったお札、お塔婆、ご先祖さんの写真、

お位牌、仏像など、様々な物が届けられ、お寺の前の畑でお焚き上げをします。


去年の冬にも、お檀家さんの墓地にある塔婆を集め、

お経を挙げ、香をくべ、お焚き上げをいたしました。


お焚き上げをお願いいされる品物の特徴としては、

自分の手で処理するには抵抗があるという事です。


まず多いのは、位牌、お守り、仏像等はでしょうかね。

神社の破魔矢や、キリスト教の十字架等をお願いされる事もあります。

何となく雑に扱うと罰が当たりそうですものね。


また、想い出のつまった品物も気持ちの面で処理しづらいのでしょう。

写真、成績表、卒業証書、日記などを渡されたこともあります。


お焚き上げに火を用いる事もあり、安全性の面から、必ず中身を確認し、処理しますので、

人様の日記や成績表の中を除く様な際には、何だか申し訳ない気持ちになります。


同時に、その思い入れのある品の終着地が、私の手元である事の不思議を感じます。


届いたのが、お檀家さん等、私にとっても大事なお方のお写真であったりすると、

私も捨て難くなってしまって、

ついつい処分を保留してしまうこともあるんです。困ったものです。


へその緒のお焚き上げを頼まれる事も、珍しい事では無いようです。

特別な思いを込めて始末をつけたいという事なのでしょう。


以前頼まれた品物の中に、立派な桐の箱がありました。

「おや、これはへその緒かな?」と箱を開けようとしても、蓋が空きません。

どうしても開かないもので、マイナスドライバーで多少力任せに開けました所、

パキッ!と蓋が割れる音と共に、中から大量の髪の毛が飛び出て、床にちらばりました。

見ると、全てが同じ髪ではなく、黒髪、茶色い髪、白髪、短い髪と様々な髪の毛が。

私の腕にもたくさん舞い付いたもので、

すかさず、私の口からは「ひゃあ~!」という声が漏れ出たわけですが、

あれは何だったのでしょう?


その後、考える事を放棄した私は、その髪を丁寧に紙袋に納め、

無心でお経を読み、灰に帰しました。

(本当にあれは何だったのでしょう?赤ちゃんの髪の毛を少し桐箱に取っておく風習がある事はしておりますが、それとは明らかに。。。)


この様に、理解の及ばない物もごくまれに到来することがあります。

前に修行で厄介になっていたお寺でもそんな事がありました。


ある日、お焚き上げの写真が送られてきました。

たった一枚の写真でしたが、一枚に見合わぬほどの、ご供養料が同封されておりました。


そのお寺は、全国的に有名な東尋坊(とうじんぼう)という観光名所の傍にあるお寺でありましたが、東尋坊は同時に自死の多い場所でもあります。


断崖絶壁を背景に、笑顔の夫婦が映った写真。

その奥様の肩を明らかに、二人のものでない誰かの手が掴んでおりました。


いわゆる心霊写真というものでしょう。

楽しみにしていた夫婦両行で、偶然取れてしまったものが気になり、

同じ県内のお寺にご供養を頼みたいという事で、お送りいただいた物でした。


当時の技術でも、合成写真の作成は可能であったでしょうが、

たかが数人のお寺の坊さんを騙すために、写真を作り、多額のご供養料を同封されるとは思えません。


あれは何だったのでしょう?

その場にいた皆が考える事を止め、手厚くご供養させていただきました。


当山では、お焚き上げを常時受け付けさせていただいております。

御自身で始末をつける事に抵抗のある品物に関して、お気軽にお申しつけ下さい。

 
 
 

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