今年もよろしくお願いいたします、和尚の雄道です。
令和六年へと歳が改まり、一年のスタートを切ることができました。
パナソニック創業者の松下幸之助さんには、
何冊もの本になる程、たくさんの名言があり、
その中に「日々是新」(ひびこれあらた)」という言葉があります。
「毎日毎日、一日一日がスタートだ。」
という意味で私は受け取っておりました。
ところで、漢字の「正」という文字を辞書でひく時、その部首は何かといえば、
「止」となります。
つまり、「正」は「一」と「止」とで成り立っているわけです。
以前あるご老僧から頂戴したお言葉を、
今日不意に思い出しました。
そのご老師のお寺へお正月のご挨拶にお伺いし、
ご挨拶を済ませ、お茶をいただきながらのお話しでのことでした。
老僧:『「一に止まる」と書いて「正」と読む、
「一に止まる月」を「正月」という。
では「一」とは何かというと「原点」のことだ、
「正月」とは「原点に止まる月」の事となる。』
へぇ~、と思いながらフンフン頷きながら聞いておりますと、
老僧が私を「こいつ分かって頷いてるのか?」と疑う様な目でじっと見ながらも、
老僧:「だがな、わしら仏様の弟子は、一月だけが正月ではいか んのだ。毎日原点に、いや一瞬一瞬原点におらんといか ん。一月ばっかりめでたがって新鮮がるな、一生めでた くおれよ。」
一年の内で、一月だけを「めでたいもの」にしてしまうと、
残りの十一カ月が「めでたくないもの」になってしまう。
「日日是新」の話に戻りますが、
老僧の教えから修正を加えますと、
「毎日毎日、一日一日がスタートだ。」から
「いつでもおめでたい!」と解釈し直すべきかもしれません。
さて改めまして、
今年一年お互いにおめでたく暮らせますこと、
御祈念申し上げます。
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