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鳥たちよ

  • 執筆者の写真: 住職
    住職
  • 7月1日
  • 読了時間: 3分

住職の雄道です、こんにちは。



六月の内から、驚く程あっという間に気温が上がった。


我々人間がその暑さに ゼェハァ ゼェハァ 言っている一方で、

動植物は元気いっぱいです。


さて、下の写真は、泉龍寺のポストだが、



そのポストが毎朝、蓋を開けると下の写真の様な状態になっている。


苔だらけ。。。


おそらく鳥でしょうね。


鳥がポストに巣を作り、そこで卵を産み、守り、ヒナを育てようとしているのです。


どんな鳥の犯行か、その姿を確認したことはないものの、

放置すれば、そこに命が産み落とされ、手が出せなくなる。


だからはじめ、毎朝必死に、その苔製の巣を取り除いていた。

しかし一晩経つと、あら不思議、必ずまた巣が出来上がっている。


その根性は尊敬に値するものの、

問題は、その都度、庭の苔が失われていくこと!


苔は、庭の土に水分を蓄えるという重要な役割を担っている。

苔があるから、太陽の光の熱で、土から水分が失われない。

苔が土壌を守っている。

苔は大事だ!


その結果、苔の為にも住職は泣く泣く鳥たちへ白旗を挙げました。


「もうこの手で巣は撤去しません。」


でもそうなると、そのお鉢が回ってくるのが郵便屋さん。


スクーターで来られた郵便屋さん。

ポストの蓋をあけたら、びっしりの苔にギョッとし、

宅配物を入れて良いものかどうか、と首を傾げ、

結論が出ないながらも、苔の上に品物をそっとのせ、蓋を閉じる。


ご苦労様です、いつも本当にありがとうございます。

それで正解です。


ほぼ毎日郵便物が届くポストの中で、

鳥が卵を産み、子育てをすることは難しい。


郵便屋さんが届けて下さる日々の郵送物のおかげで、

鳥たちも、卵を産み付けるタイミングを失っているものと見えます。


こちとら、白旗を挙げながらも、ポスト自体を明け渡すつもりはないわけです。


職務遂行を責任をもって行われる郵便屋さんを利用し、鳥たちの育成を妨害する住職。


自身の手は汚さぬその姿。

聖職者と名乗る事は生涯控えようとの想いを胸に、今日も過ごしております。



しかし改めて考えてみますと、

鳥が必死にポストに巣作りをする程、

自然は厳しい。


カラスや、もっと大きな鳥やヘビ、

またはヒナに寄生して、血を吸ったり、羽を食べたりするダニ、

果ては、大雨や暴風等の自然災害や病気に至るまで、

鳥の命を脅かす存在は、なんと多い事か。


そんな敵ばかりの環境下、食物連鎖の上位に属する存在「人間」の傍にすり寄り、

安全を確保し、命をつなごうとするのは間違った判断ではない。(住職が私でなければな!)


当たり前の様に聞こえてくる鳥の声にも、

必死に命をつなごうとする生命の息吹がこもっております。


暑い暑いの毎日ですが、

我々も一生懸命生きて参りましょう。



 
 
 

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